アンデスの動物達


酷い腹痛で目が覚めた。昨晩食べたリャマがあたったのだろうか。この辺りは牛は見かけずリャマという首が長くて顔はラクダの様なとぼけた顔をしている動物を道端で見かけることが多い。リャマは至近距離に近づくまで逃げないから、“リャマに注意”という道路標識も飾りではない。耳には可愛いリボンをしているが、これはお洒落をしているのではなくて飼い主の識別の為だろう。毛や皮はセーターや皮細工などに使われ、街の露店や土産物屋へ行くと色とりどりの色彩に男の僕でも物欲をそそられて見入ってしまう。ボリビアの物価は南米の中でも特別に安いので欲しいものを欲しいだけ買えるけれど、僕のバッグには余計なものを入れる隙間は全く無かったからいつも指を加えて見ているだけだ。唯一鹿肉の様に少し臭みがあって美味い肉だけは胃袋の隙間に詰めることが出来た。この日、ウユニから208km東のポトシという都市へ移動しているときもたくさん見かけた。他にもアンデスにはビクーニャ、アルパカ、グアナコなどリャマに似た動物、ヤギ、ロバ、羊、豚、水牛などの家畜が柵に囲われているでもなく勝手にその辺で高山の乏しい草を食んでいる。中には野生の物もいるだろう。

時々通る部落はどこものどかで素晴らしい。子供達が果てしない平原の中でサッカーを楽しんでいる。コンクリートジャングルで塾に通う日本の都会の子供達とどちらが幸せと比べることは出来ないかもしれないが、少なくともボリビアの方が健全で人間的だ。人も動物もたくましく生きている。

 この道は主要国道のはずなのに道は舗装されておらず、たまに見かける乗り合いバスやトラック以外殆ど何も見ない。