南米の政治


アルゼンチンは日本の約7.5倍の大きさがあり、アメリカのように州に分かれている。州境を越えても警察の検問があったり植物検疫があったりすることがあるだけで直ぐに変化は感じないけれど、それぞれの州が自分たちの魅力を宣伝し競い合っているようで興味深い。Neuquen州からワインが売りのMendoza州に入る。隣の州に見栄を張るためなのかどうかは知らないが舗装がとても良くなる。しかしそれも直ぐに砂利道に変わった。昔はここも舗装されていた様子で、まだらにアスファルトが残っている所もある。それが凸凹の原因で車には走りにくそうだ。まさにアルゼンチン経済を象徴するような道路だ。

 
アルゼンチンの道路政策について面白い話を耳にしたことがある。政治家が選挙公約で、ある路線の舗装化を挙げていたが、当選後は未舗装区間の道路番号を変えて労せず公約を実現させたのだとか。有権者にとってはとんでもない出来事だけれど、外野にとっては頓知の利いた笑い話だ。

 世界中どこでも政治と言えば汚職を連想させる酷い世の中だ。まともな政治家がいないから国は混乱する、混乱するからしっかりした有権者が育たない、育たないからまともな政治家が生まれない、という負の連鎖だ。その中でも南米の政治家は特に凄いらしい。これだけ地下資源や観光資源に恵まれた南米だから、まともな政治が機能しはじめたら猛烈な発展を遂げることになるだろうと思う。